ロードバイクには工具が必要になります。それはロードバイクをメンテナンスするために専用の工具を必要とするからです。
簡単な日常のメンテナンスはもちろん、ロードバイクを完全にメンテナンスを行う場合、揃えたい工具類というものがあります。
ここでは、そんな工具類について解説をしていきます。
この記事に書いてあること
メンテナンスには工具が必要
ロードバイクのメンテナンスには工具が必要です。
この工具は、作業によって用意するものが異なってくるという点にも注意しなければいけません。
そこで今回は、どのような作業でどのような工具が必要かを紹介します。
また、初級と中級に分けて、その内容についても解説しましょうメンテ初級(必要工具なども)ロードバイクのメンテナンスの初級として、次の5つの作業内容があります。
- サドルの高さやハンドル調整
- パンク修理やタイヤ交換
- バーテープ交換
- ディレーラー調整
以上について解説しましょう。
メンテナンス初級
ロードバイクを乗る上で簡単な初級のメンテナンスはできるようにしておく必要があります。サドルの高さやハンドル高さの調整、パンク修理などはとても大切でロードバイクを乗る誰もができなくてはいけません。
輪行などでもホイールを外したり、出先でパンク修理ができないと帰ってくることができないことを考えると、これらの初級メンテはチェックしておきましょう。
サドル高さ・ハンドル調整
サドルの高さやハンドル調整には、六角レンチ(以下、アーレンキー)、トルクレンチが必要です。このアーレンキーは、六角の穴に差し込んでネジを動かす仕組みになっています。
ちなみに、カーボンのフレームのバイクには、トルクがわかるトルクレンチが必要です。
サドルの高さを調整するには、サドルをフレームに固定しているクランプボルトにアーレンキーの4㎜または5㎜を使います。
穴にまっすぐ差し込んでボルトを緩め、サドルを左右に回しながら上に上げたり、下げたりして自分にあった高さに調整しましょう。
そして、固定をしますが、カーボンフレームの場合はトルクレンチで指定した圧力に固定し、アルミなど金属のフレームは、そのまま固定します。
ハンドル調整は、トルクレンチとアーレンキーが必要です。
これによってステムの固定ボルトを緩めて、トップキャップを緩めます。
キャップを外してステムを取り外し、コラムスペーサーと呼ばれるリングを入れたり外したりしてハンドルの高さを調整します。
調整が終わったら、トップキャップをしめこみますが、カーボンのフォークを使っている場合は、トルクレンチで決められた強さに固定しましょう。
パンク修理・タイヤ交換
パンク修理やタイヤ交換は基本的な流れが似ています。
特にチューブを入れるクリンチャータイプは内容が似ているので、わかりやすいでしょう。
用意する工具は、アーレンキーとポンプとタイヤレバーです。
両方ともまず、ギアをいちばん外側のトップギアに入れて、ロードバイクをひっくり返します。
そして、リムブレーキの場合はクイックを緩めてホイールを外し、ディスクブレーキの場合は、アーレンキーなどでボルトへ差し込み、棒を取り出してホイールを外しましょう。
最初に空気を完全に抜いたら、バルブの反対側に当たる部分にタイヤレバーを使ってビードにタイヤレバー1本分(約10cm)離して2本同時に引っ掛けます。
タイヤが一部外れたら、バルブ方向にスライドして外します。
そして、チューブを外しますが、パンクの場合はチューブを取り除き新しいチューブを入れ、タイヤ交換の場合は、好みで交換しましょう。
パンク修理の場合は、タイヤに異物がないかチェックし、あれば取り除きます。
一方タイヤ交換は、新しいタイヤを用意しましょう。
タイヤとチューブを付けたら、バルブから左右均等に、チューブを手で押し入れます。
そして、左右均等にビードをはめ、手のひらを使ってタイヤをはめましょう。
最後にポンプで空気を入れて完成です。
バーテープ交換
ロードバイクのバーテープ交換は、バーテープ以外にもビニールテープやはさみを用意します。
交換は、ステムに近いところのビニールテープを剥がし、バーテープを取っていきます。
この時、ブラケットのゴムカバーにぶつかるので、ひっくり返すことで続きが露出しする仕組みです。
最後にバーエンドキャップを外しましょう。
次に巻いていきます。下ハン部分は内側に、上ハン部分は手前側に向かってハンドルバーの下端から幅の1/3程度を重ねて巻き始めます。
ステムの近くに来たら、バーテープに切れ込みを入れ、そこからもう一周巻きましょう。
そして、最後に斜めに切って、巻いたら余計なバーテープを切って巻き終わります。
ここから、ビニールテープで留めて下端面をバーエンドキャップで止めれば完成です。
ディレイラー調整
ディレーラー調整は、プラスドライバー1本あればできます。
これは、アジャストボルトと呼ばれる部分を緩めたり、しめたりする際に利用します。
アジャスターという部分もありますが、こちらは手だけで簡単に調整可能です。
ブレーキシュー交換
ブレーキシューの交換は、ブレーキシューの台座を着脱するのに使用するアーレンキーがあればできます。
ただし、手が汚れることが多いため、軍手やいらない手袋などを付けて行うのがおすすめです。
メンテナンス中級
メンテナンスの中級になると、お店に依頼するケースも多いのではないでしょうか。
ここでは、必要な工具を次の作業ごとに紹介します。
- ブレーキワイヤー交換
- シフトワイヤー交換
- スプロケ交換
- クランク
- BB交換
これらの工具を中心に紹介しましょう。
ブレーキワイヤー交換
ブレーキワイヤー交換に必要なのは、ビニールテープ、はさみ、カッター、アーレンキー、ラジオペンチ、ワイヤーカッター、棒やすり、画びょうです。
ビニールテープとはさみは、バーテープをはがし、巻きなおす際に必要です。
カッターは、ワイヤーを固定しているテープなどを切る際に使います。
ラジオペンチは、ワイヤーをブラケット内に入っているタイコ(ワイヤーの先端)を取り出すために利用しましょう。
ブレーキワイヤーを抜いたら、同じ長さに新しいワイヤーをそろえて、ワイヤーカッターを使ってカットします。
カット後、断面をキレイにするために画びょうを使って広げたり、棒やすりで削ってキレイにします。
あとは、ワイヤーの取り付けにアーレンキーで固定しましょう。
そして、はさみとビニールテープでバーテープを巻いていき完了です。
シフトワイヤー交換
シフトワイヤーもブレーキワイヤー同様に、ブレーキワイヤー交換に必要なのは、ビニールテープ、はさみ、カッター、アーレンキー、ラジオペンチ、ワイヤーカッター、棒やすり、画びょうです。
スプロケ交換
スプロケ交換に必要なのは、スプロケットリムーバーとフリーホイールリムーバーだけです。
ただし、フリーホイールリムーバーはシマノ、カンパニョーロ、スラムによって異なるので、それぞれに対応したものを用意しましょう。
使い方は、スプロケットリムーバーのチェーンの部分を、スプロケの真ん中あたりのギヤに引っ掛けて回転しないように固定します。
スプロケをホイールに固定しているロックリングに、フリーホイールリムーバーを溝に合わせてしっかり奥まで差し込みます。
そして、真上から下に体重をかけるように外します。
取り付けは、スプロケを付けていき、フリーホイールリムーバーを使って、ロックリングを体重をかけて締め付ける流れです。
クランク・BB交換
クランクやBB交換は、BBリムーバー、アーレンキー、ゴムハンマーです。
BBリムーバーは、BBに噛ませて外す道具です。
アーレンキーはクランクを固定しているボルトを外すために使います。
コンポメーカーによってセンターキャップを取り外しする専用工具(シマノならTL-FC16、TL-FC24など)が必要です。
また、右側クランクを引き抜くために左側からゴムハンマーでたたくために使います。
ステム交換
ステム交換は、アーレンキーの4㎜または5㎜が必要です。
これらの工具を使ってボルトを緩めてハンドルやフォークのコラム部分からの外していきます。
そして、ステムの交換をしたら、同じようにボルトをアーレンキーで締めていきます。
メンテナンス上級
ロードバイクの上級メンテナンスは、ディレイラーの調整やホイールの振れ取りの他、ホイール内部のベアリングの注油などがあります。
これらは専用の器具を必要としたうえで正しい手法でメンテナンスを行う必要性があります。
ホイール組み
ホイール組みは、ニップル回しという専用器具を使用してホイールリムとスポークを分けた状態から組み上げていく作業です。
スポークは、棒状のホイールリムを構築する部品で曲がりがある場合、ホイールが左右に揺れる原因になるため、一度すべて取り外して一つ一つを組み上げていきます。
スポークをホイールリムに組み上げていく際、曲がりりのあるスポークを見つけて交換するのがこのホイール組の主なメンテナンス方法になります。
ホイール振れ取り
振れ取りは、ホイール組みで生じた際、歪みがあるスポークを取り外して歪みがない物へ交換することです。
歪みがあるスポークを自ら曲げて歪みを元に戻す方法もありますが、この方法は慣れが必要なうえ熟練された自転車技師でも案外と簡単にこなすことができない作業です。
その為、練習を積むのであれば、いらない自転車のホイールを用いて、わざとホイールのスポークに目印を入れたうえで目印を入れたスポークを折り曲げ、それを元に戻す練習を積めばよいでしょう。
この時、いらない自転車のスポークは、ロードバイクでなくともよく、自転車であれば何でもよいです。
ただし、必ずアルミリムとスポークで構成されている物を修復するようにしましょう。
メンテナンスで揃えたい工具
ロードバイクのメンテナンスにはそろえるべく工具という物が存在します。
これから、ロードバイクのメンテナンスに必要な工具類を紹介していきますのでご覧いただければ幸いです。
ROCES 自転車 メンテナンススタンド
出典:アマゾン
クランプで挟み込むことで、自転車を固定する自転車スタンドです。
小型ながら固定する自転車を選ばないというのがこの商品の特徴で、工具トレーを有しており、水平にしても工具が落ちない専用工具トレーを備えている自転車スタンドです。
自転車スタンドは、自立できない自転車を固定して整備する際使用します。
CXWXC 自転車用 トルクレンチセット 差込角6.35mm(1/4インチ) 1~25N.m
出典:アマゾン
- ロック機能:設定トルクの変更しやすく、使用時にトルクのずれないトルクフィックス機能
- ラチェット機能:正ネジだけでなく逆ネジも測定可能なツーディレクショントルクレンチ
- ビット15本付属:ネジに合わせた最適のビットを選ぶことができます
- 延長アダプタ付:届きにくい場所でも使用可能です
- 高精度トルク測定:測定精度は±4%でDIN-ISO(ドイツ工業規格-国際標準規格)基準をクリア
自転車用トルクレンチセットです。
専用チップが付属しており、チップを交換することでマイナスドライバーやプラスドライバーの他レンチにも変化する品物です。
トルクを設定することで、適正な力で自転車のねじを開け閉めすることが可能で、ねじ山やナットなどを潰すことなく開け閉め可能です。
シマノ(SHIMANO) プレミアムグリス
出典:アマゾン
ロードバイク用に作られた専用グリースです。
回転軸受け部分に使用可能なグリースで、粘度が高い点が特徴です。
また、耐熱性に優れており、引火点が高い点も優秀な部分になり、引火点が高いが故蒸発しにくいロードバイク用潤滑剤になります。
King TTC ワイヤーロープカッター WC-150
出典:アマゾン
自転車以外の硬いワイヤーロープを切断できるワイヤーカッターです。切断能力はワイヤーロープ直径4mm。
主に、自転車のブレーキやディレイラーのワイヤーの調整に使用します。
ワイヤーを切断する際、少ない力で切断することができるのがこの商品の特徴です。
ミノウラ(MINOURA) 自転車 振れ取り台 FT-1 セット
出典:アマゾン
- 折り畳み時サイズ:(約)FT-1/L470xW220xH90mm、FCG-310/L365xW45xH50mm
- 重量:(約)セット/2.5kg、FT-1単品/2.2kg
- 対応ホイール径:29インチまで(下限はなし)
- ハブ幅対応サイズ:85-135mm
自転車のホイールの振れ取りをする器具で、インジゲーターを使用することでホイールがどちらに触れているかを測定します。
最大29インチまでの振れを取ることが可能で、29インチ以下については上限がないモデルになります。
おすすめメンテナンス・セット工具4選
ここからはおすすめ工具セットの紹介になります。
工具セットとは、必要な工具類をセット販売したものを指し、割安価格にてロードバイクに必要な様々な工具をそろえた商品になります。
自転車用工具セット ロードバイク メンテナンスセット
出典:アマゾン
初心者向けの工具セットですが、ホイールとスポークの取り外しを行うニップル回しからタイヤのパンク修理キットまでを付属した工具セットです。
このセット一つでロードバイクの分解から組み立てまでを行うことが可能です。
CYCLISTS 自転車専用工具セット 23点セット
出典:アマゾン
チェーンカッターにニップル回しなどの他ラチェットなどロードバイクの整備に必要な器具のすべてを備え付けている工具セットです。
パンク修理キットも付属していますのでもしものパンクの際にも使用可能な工具セットです。
BIKE HAND 自転車工具セット ガレージツール
出典:アマゾン
トルクレンチにチェーンカッター、パンク修理キットの他ニップル回しに至るまで、ロードバイクの整備に必要なものすべてを取りそろえたキットです。
熱処理により耐久性を高めているのがこの工具の売りです。
プロ (PRO) ツールボックス R20RTLB029X
出典:アマゾン
初心者用ロードバイクのメンテナンス工具一式セットながら、高い耐久性を併せ持つ商品です。
チェーンの脱着機器から、カセットリムーバーなどロードバイクのメンテナンスに必要なものを取りそろえたセットになります。
まとめ
ロードバイクは、定期メンテナンスを必要としており、中には、熟練された技能を必要とする物もあります。
スポークの振れ取りなどがまさに熟練された能力を必要とするメンテナンスで、ロードバイクのメンテナンス初心者の方においてはまず、身近なメンテナンスから始めるのが望ましく、工具セット群を購入して身近なメンテナンスから始めるのが良いでしょう。
↓↓ロードバイク用携帯工具についてはこちらの記事をご覧いただければと思います!
ロードバイク用「携帯工具」選び方・使い方・オススメ7選