ロードバイクのツールドフランスなど3大ツールでも99%以上の選手ががカーボンのフレームを使用しています。
当然、日本国内外のプロはもちろん、ハイアマチュアも含めて、カーボンのロードバイクに乗るのは常識と言っても過言ではありません。
それだけ多くの競技志向のユーザーがカーボンを選ぶのは、カーボン素材はレース機材として、ロードバイクのフレームとして最高峰だと認めているからです。
今回は、なぜロードバイクのフレームの最高峰がカーボンといえるのか、また、そのメリットとはどんなものなのかを紹介しましょう。
それではお話していきます。
この記事に書いてあること
カーボンとは
カーボンとは、炭素繊維を使用した繊維素材です。
アクリルやピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)と呼ばれる素材を高温に炭化して作った繊維で、非常に軽量でありながら、強度も強いのが特徴です。
その特徴から、ロードバイクのフレームに採用されています。
た、当然他のスポーツはもちろんの事、戦闘機や航空機といった航空機や宇宙に衛星などを搭載したロケットやシャトルにも使われる素材です。
これだけ素材として高性能な機能を持つ素材であることから、それをフレームに使用しているロードバイクは高性能といえるでしょう。
カーボンフレームのメリット
カーボンフレームのメリットは、軽量にできることと、自由な形状に設計できることです。
カーボンという素材自体、非常に軽量なので、それを使ってロードバイクのフレームを製造することで、軽量にできます。
そのため、ヒルクライムはもちろんのこと、より少ないパワーで、より速く走れるメリットもあります。自由な形状に設計できるのもメリットです。
ロードバイクなどのスポーツ車は、空力を意識した設計を行っています。そのため、空力を意識した設計にするために複雑な形状でフレームを製造することが必要です。
しかし、アルミやステンレス、チタンなど従来のロードバイクのフレーム素材では、その製造に非常に高度な職人的技術を要求されます。
また、人の手では加工が困難なデザインで製造しなければいけないケースも少なくありません。金属では加工に限界が出てくるのです。
一方、カーボンは加工前の素材自体が柔軟なため、自由な形状にデザインできます。
そのため、空力を意識した設計が可能で、しかも大量生産や金属の加工よりも短時間で複雑な形状のフレーム製造も不可能ではありません。
さらに、フレームの性状もコントロールしやすく、しなる衝撃吸収に優れたフレームや金属よりも力を伝達する、いわゆる硬いフレームに設計できるのが特徴です。
カーボンフレームのデメリット
デメリットは、比較的少ないものの強いていれば、もろさがあります。
例えば、落車してフレームを地面にたたきつけられたとしましょう。
この時、金属のフレームであればへこんだり、傷がつくといったレベルで耐えられることがほとんどです。
しかし、カーボンの場合は、場合によってガラスのように割れてしまい、走行不能になる場合もあります。
このように性質の違いで、金属製のものよりももろい一面があり、それがデメリットといえるでしょう。
また、経年劣化もしやすいとされており、ママチャリのように玄関の軒先で雨風にさらしていると、強度が落ちたり、破損しやすくなったりする場合があります。
カーボンフレームを長持ちさせるため
カーボンのロードフレームは高性能な反面、長持ちさせるために工夫をする必要があります。
衝撃に弱い
カーボンのフレームは、衝撃に弱い弱点があります。
そのため、駅の駐輪場に立てかけて置いたり、乱暴な運転をしたりといった落車や倒れる原因になるようなことをしないようにしましょう。
立てかける時気をつける
立てかける時は、先ほども触れたとおり気をつけましょう。
例えば、コンビニで何気なく止めてしまい、戻ってきたら倒れてフレームにクラック(ひび)が入って走れない状態に鳴るといったケースがあります。
輪行に気をつける
輪行にも気をつけましょう。たしかに輪行袋に入れて、電車で注意深く持っていくのは問題ありません。
しかし、沖縄や海外など航空機を利用する場合、積み荷で運ぶ際、予期せぬ外力がフレームにかかり、ついたら破損していたということもあります。
そのため、航空機などを利用する場合は、丈夫なケースに入れるなど自衛する必要があるでしょう。
紫外線
紫外線も大敵です。
カーボンの素材自体は、紫外線にも強く問題ありません。
しかし、カーボンをつないでいる樹脂が紫外線に弱く、長年紫外線を浴びせ続けると、樹脂が劣化してフレームが破損します。
なるべく室内に入れて、紫外線が当たらないようにしましょう。
雨や水分
雨や水分は、カーボンフレームに関わらず大敵です。
道路でついた汚れやグリス、オイルなどが水で溶けだし、カーボンの樹脂を攻撃します。
それによって劣化するからです。
パーツ組付けのトルク管理
シートポストなどのパーツを組付ける際に、トルクといわれる締め付ける力も決まった強さで行いましょう。
いまいち組付けが緩いからと、思い切り力をかけてネジで締め付けたら、フレームにクラックが入ったという話は珍しくありません。
分かりやすい場所にトルクの指定が記載されているので、その範囲内でトルクレンチを使って組付けましょう。
カーボンバイクの選び方
最後にカーボンフレームを使用したロードバイク、カーボンバイクの選び方を紹介します。
完成車価格帯は20万から
予算としては、最低限でも20万円以上用意する必要があります。
カーボンフレームは、金属(チタンを除く)フレームに比べて製造コストがかかり、価格も高めになっているのが特徴です。
各自転車メーカーのトップモデルもカーボンフレームのロードバイクが占めているはずです。ビギナーやミッドモデルにもカーボンフレームのラインナップがありますが、それでも予算的には20万円は確保すると良いと考えます。
余裕を持った予算を用意しましょう。
フレームサイズが重要
ロードバイクのフレームサイズは重要です。セールだからと、小柄なのに大きなサイズのフレームを買ったり、その逆を買ったりするケースが後を絶ちません。
こういったケースでは、走りにくかったり、そもそも乗れなかったりとカーボンバイクの良さを発揮できないでしょう。
コンポをどうする
コンポは、結論を言えば自由です。
主要メーカーのハイエンドコンポ、例えばデュラエースやスラムレッド、スーパーレコードなどをつけてもかまいません。
また、ローエンドのクラリスを付けるのも、ある意味楽しみといえるでしょう。
ただ、カーボンバイクはミドルレンジのモデルが多いので、コンポも各社のミドルレンジのものを選ぶのがおすすめです。
しかしシマノのコンポで言えばSORAなどの廉価版コンポがカーボンフレームに搭載されていることは少ないでしょう。フレームの良さを発揮するためにも良いコンポーネントをチェックすることは大切です。
ホイールは後回しでもいい
完成車の場合は、ホイールが安価なものも少なくありません。それがカーボンフレームのロードバイクでも例外ではありません。
20万円レンジのカーボンロードバイクではかなり安いホイールが取り付けられていると思って間違いないでしょう。
そのため、ついホイールをいきなり交換する方もいるでしょう。しかし、最初はカーボンの特性を知るうえでも、ホイールを後回しにするのも手です。
十分カーボンバイクの良さを知ってからステップアップでホイール交換してみましょう。
まとめ
カーボンフレームのロードバイクは各メーカーが一番力を入れているジャンルです。ミドルモデルからトップモデルがこのカーボンフレームロードバイクと言ってもいいでしょう。
初めてのロードバイクでカーボンフレームを選ぶのはとても良いと思いますが、なんといっても値段が高いのがネックになります。
良いカーボンフレームでコンポやホイールを廉価版にしておき、購入価格を抑える。その後ステップアップでパーツをアップグレードするのはとても良い方法と思います。
経験を積んでいけば、どのようなパーツがいいのかギア比は、ホイールは・・・などの知識も増え高額なカーボンフレームバイクの特性も活かせるでしょう。